80年代初期、伝統的なスイスウォッチのサクセスストーリーは混迷を極めていました。 新しいクオーツ技術が時計産業に急速な変化をもたらしたのです。 いくつかのラグジュアリーブランドは別として、当時誰もがこれ以上機械式時計を製作しようとは考えず、 クオーツウォッチ主体のものに切り替えたのです。ピーター・ホッファーは、スイス時計業界では重鎮と言われる存在で、 機械式時計の未来を信じて疑わない稀な人物でもありました。こうしたヴィジョンを持っていた 彼とその妻エルナは1983年、機械式時計を専門に製作する会社を設立、これがMontres EPOS SA.です。 クオーツウォッチ全盛時代にもかかわらず、ホッファーの機械式時計への情熱とその分野での専門的な知識が新会社の大きな強みでした。ジュラ山脈とジュウ渓谷の両地で工房を持つキーパーソン達とのコネクション、 またグローバルなウォッチマーケットに関する多大な知識があったことで、 ピーター・ホッファーは迅速に彼自身のブランドを立ち上げ成功することができたのです。 まさにその初期からEPOS社は目を惹くような斬新さで機械式時計専門メーカーとしての地位を確立しています。 以来20年間、彼はそのヴィジョンを貫き、素晴らしい機械式時計コレクションの数々を製作しました。 そして、ジャン・フィロンとは常に緊密な連携を保っています。 2002年、ホッファーは、彼の機械式時計への情熱を分かち合え、 また、EPOS社の歴史的な功績を委任できる後継者を探していました。 ウルスラ・フォルスターは、スイスの由緒あるウォッチメーカーの家系の出身であり、 また、彼女の夫であるタムディ・チョンゲは、スイス時計産業での秀でたキャリアと幅広い人脈があった為、 ピーター・ホッファーはこの2人が後継者として理想的だと考え2002年EPOS社を彼らに任せました。