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グラスヒュッテ・オリジナルのフランク・ミュラー社長が来店されました。

グラスヒュッテ・オリジナルのフランク・ミュラー社長が初来日され当店に立ち寄られました。 現在のグラスヒュッテ・オリジナルの地位が揺ぎ無いものとして確立された影には、 フランク・ミュラー社長の功績によるところが多大であると言われています。
このところ各ブランドの社長またはオーナーがたてつづけに来店されますが、 いずれのブランドのトップも同じ思いであることには変わりありません。 多様なブランド・アイテムが乱立する中、今までのようなヨーロッパ主導の商品供給体制ではもはや生き残ることは 困難であるとの共通の認識があるのでしょう。 特に日本においては時計界が円熟期に入り、 購入に至るまでのエンドユーザーの判断基準が厳しくなっていることも挙げられます。
以前は日本の総代理店経由でいろいろな提案をしても、ほとんど受け入れられることが ありませんでした。結果として日本での販売実績が減少してしまったことにヨーロッパの 本社ではあらためて危機感を抱き始め、自ら市場調査をし始めているように思われます。
フランク・ミュラー社長は本来、取り扱い店舗訪問中あまり口数は多くなく鋭いまなざしで 視察されるのが通例であると伺っておりましたが、当店が用意したご質問に一つずつ丁寧にお答えくださり、 たびたびメモを取りながら「もっと質問はないか」と逆に催促されるほどでした。
偶然なのですが、ミュラー社長に「我々はただ時計を販売するだけでなく、 同時に文化もお届けしたい。そのために何らかのご支援をお願いできないか。」と今思えば大変軽率な発言をしてしまいましたが、 実はグラスヒュッテ・オリジナルは現在様々な文化活動をし、 また文化団体をサポートしていることをお話になりました。
その一つは、新しく完成したファクトリーで、 一般市民のために定期的に海外の有名なクラッシックオーケストラ・ジャズグループ等を招きコンサートをしていること。 また、脈々と続く機械時計の伝統文化を守るため、敢て自社ファクトリーに時計学校を 開設し後進の養成に尽力していること。
さらには、グラスヒュッテの町がドイツの古都ドレスデンに近隣しその庇護のもと栄えたこともありまして、 かつての宮廷文化を保護し世界に伝えるためにさまざまな活動をされていることをその一例として挙げておられました。 今年日本におけるドイツ年に際してもドレスデン国立美術館展でグラスヒュッテ・オリジナルは協賛し、 同社の歴史に残る貴重な時計を展示するなどの活動をしてきました。
フランク・ミュラー社長は少しでも文化に貢献できるなら、 可能か否かにかかわらずそれがどんなことでも提案して欲しいと言い残されて当店をあとにされました。