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【セドリック・ジョナーフェア】来店のご報告

7月16日(日曜)セドリック・ジョナー氏と当店で楽しいひと時を過ごす事ができました。 30歳の若さで自らのブランド「セドリック・ジョナー」を立ち上げてから9年、彼にとっては今回で3度目の来日となりますが、数年ぶり日本での活動を再開するに至るまでにはさまざまな苦難・紆余曲折があったそうです。
30代で卓越した才能を発揮したセドリック・ジョナー氏は、当時、十数人のスタッフを抱え時計界では注目された若き天才時計職人の一人でした。しかし、大手資本の投資が時計界に及ぶにつれ,何人もの将来を嘱望された有能な時計師が姿を消すことになったのです。
「ブレゲの再来」といわれたダニエル・ロート氏、最近では時計の世界に新風を巻き起こした フランク・ミューラー氏に代表されるように、資本家と時計師の間にはお互いに合い受け入れられない壁があるようです。
セドリック・ジョナー氏の場合も例外ではなく、才能あるがため、投資家に押し潰されそうになる辛い経験をしています。数年の間自らのブランド名を使用することが出来ず、「セドリック・ジョナー」ブランドでの活動の休止を余儀なくされてきたのです。
彼とのお話の中で、数年間の辛い経験は今後の彼の創作活動に結果として大きなバネとなったことが窺い知れます。彼曰く「年間100本程度の生産本数に過ぎませんが、お金の力に左右されず、どこのグループにも属さないで、すべての時計に自分の満足のいくまで手をかけて作り続けていきたい。」とのことでした。
彼の裏表のないまじめな性格と親切な対応はお客様にも大変ご好評をいただきました。39歳と若く、これからのスイスの時計界を担っていく逸材であることは間違いないでしょう。
彼は又こんな興味のある話をしてくれました。彼が小学生の時代、小学校の前にジェラルド・ジェンタ氏の工房があり、毎日その工房を見ながら学校に通っていた記憶が感慨深く思い起こされると。