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エキリーブルの掲載記事

エキリーブル MJコンテス「エキリーブル」(こころ+バランス=幸せ)
エキリーブルとは心と体のバランスを主眼に、WFP(国連世界食糧計画)の活動や子供の教育問題
そしてオリンピック誘致に至るまで現在身の回りにある課題をテーマに編集されるタウン誌です。
創刊よりSpice of life(人生の香辛料)のタイトルで連載しておりますのでご紹介させていただきます。

※画像をクリックして頂くと、エキリーブル発行会社
 「MJコンテス」さんのサイトをご覧頂けます。

冬の夜空に思いを込めて

クエルボ・イ・ソブリノス街が寝静まる深夜には、空気が澄んでいれば夜空のキャンパスにオリオン座を中心とした壮大なる絵巻を見ることが出来るでしょう。かつて古代ギリシャの人々は、夜空を眺め夢を膨らませながらきらめく星に神々を宿したのでした。そこには、人間界と同じくせつなくもロマン溢れる物語があるのです。崇高で気高くあるはずの神々にも、時として冷酷で利己的な一面を見るとき、何千年も前から虚栄や欲が人間に同じような過ちを繰り返させてきたのもうなずけます。まあ暗い話はさておいて、じっくり夜空を見上げてみましょう。

【冬の主役はオリオン座】
冬の夜空には7つ一等星を見つけることが出来るのですが(地域によっては8つ見ることが出来ます)、まず初めに一等星を二つ持つ狩人オリオンのオリオン座を探してみましょう。目印は狩人オリオンのベルトに位置する横に並んだ「3つ星」と、左上で赤く輝く1等星のベテルギウス、そして右下の青白い一等星リゲルです。日本では星の色の違いを源平合戦に例え、赤いベテルギウスを平家星、白いリゲルを源氏星とも呼んでいるようです。 よく耳にする「冬の大三角」とは、このオリオン座のベテルギウス、それに従うこいぬ座のプロキオンそしておおいぬ座のシリウスを結ぶ三角形をいいます。その中、シリウスは古代エジプトで最も崇拝された女神イシスの化身ともいわれ特別な存在です。

クエルボ・イ・ソブリノス【シリウス星は暦の起源】
冬の星座で最後に現れるおおいぬ座のシリウスは太陽を除いて恒星の中で最も明るい星ですが、かつて暦を知る上で大変重要な役割を果たした星でもありました。今でこそ一年が365日、一年の最後が12月31日であることは当然のように思われていますが、実は暦の原点は紀元前3000年頃の古代エジプトにあります。当時エジプト文明の繁栄は「ナイルの賜物」と言われるように、年に一度のナイル川の洪水によって運ばれる肥沃な土が豊かな農作物の収穫をもたらしていました。ただ、豊かな収穫と洪水とはうらはらの関係にあり、時期の予測を間違えれば命にかかわる大災害ともなってしまうのでした。その救世主となったのが7月半ば、夏至のころの明け方に東の空低く現れるひときわ輝く星、シリウスでした。シリウスが現れるときまって洪水が起こり、そのサイクルが365日であることを知ることにより災害を回避できたのです。これが今の暦の起源です。当時はこの日を年の初め、元日としていたのですが。

今年も残りわずか、サブプライム問題、異常気象と何かと憂鬱な1年でした。童話「星の王子様」に、〈ぼくはあの星のなかの一つに住むんだ。その一つの星のなかで笑うんだ。だから、君が夜、空をながめたら、星がみんな笑っているように見えるだろう。サン・テグジュペリ著〉といった一節があります。無数の輝く星々の中に、にっこりと微笑んであなたの願いを叶えてくれる星がきっと見つかるはずです。2009年は皆様にとって良い1年でありますように!